4/1/2001

「万博公園花見祭」
 エイプリルフールである今日、万博公園に行ってきました。国立民族学博物館に行っても良かったのですが、今日は、花見に行った訳であります。
 僕は、夙川っていう阪神間では桜の名所の一つに数えられてるところに住んでいて、それでいて、大学まで自宅から30分ほどのところに通っていたので、新歓でも何でも夙川の堤でやるっていうのが僕の中での習慣になっていたんです。
 もちろん大阪城公園に行く場合とかもあるんですが、やっぱり多いのは夙川。でも今日は、生まれて初めて万博公園での花見になりました。桜は六分咲きっていう感じだったんですけど、楽しい花見になりました!!
 
 やっぱりメンバーがいい!!

 今日のメンバーは、森田ゼミの三年間、一緒にいたみんなであります。卒業して丸一年経っちゃったわけだけど、こうやって集まる機会があることにホント感謝感謝。僕ともう一人をのぞいて、他の子達は、就職していて、丸一年過ぎたって事なんですけど、仕事の話とか、会社の同僚の話とか、やっぱりみんな大変そう。そうやってみんなの話を聞くことが出来るのもやっぱりいいですねぇ・・・
 僕もこれからのこと真剣に考えないといけない時節柄、いろいろなことを考えさせられました。

 一番僕の心にグッと来たのは「アラカワは、これからどうするの?」って聞かれたこと。
 もちろんいつものおきまりの答えって用意しているけども(いわゆる公式見解って奴ね)アルコールちょこっと入った状態でこういう質問を一緒に勉強してきた子から言われると、「たてまえ」なんかしゃべられない。本音がぽろっと出ちゃう。それでこれからどうしようって考えてるときだから、一番ガツンときちゃうんですなぁ・・・
 
 もちろん顔には出さなかったつもりだけど・・・(ただ顔が赤かったかな?)帰りの電車の中で、そのことを考えてました。

 今の心境は、やっぱり自分のやってる研究を極めると言うこと。それが出来る環境に行きたいって言うのが本音なんだけど、それでご飯が食べれるほど甘い社会やない。ホントどうしようって考えてます。
 
 もう一人の子が「学校にいるときは勉強したくないって思ったけど、学校出ると勉強したくなる。」っていってた。僕も勉学に対する有り難みが無くなってるのかな?「極める」とか口で軽く言えるけど、実際そこまでの言葉の重みを知らないのだろうなって思う。
 敢えて苦労することはないとは思うけど、勉学やっててやっぱり良かったぁ・・・って心の底から言える人にならないとあかんねんやろうなぁ・・・フィールドに行っても遍路の研究してる人も「ご研究大変だったでしょう?」の質問に「なに言うてんねん。研究は好きで好きでたまらんかったよ。」ってすぐかえされた。

 やっぱり今の研究って俺の中で趣味の領域やないんやろうか・・・もちろん楽しい部分もあるからやってるねんけど。大変や!って感じる俺は向いてないって事か?でも他の世界でやっていく自信がない。もし自信のない他の世界でやることになってもやるからには、プロとしてやっていきたい。中途半端は嫌であります。それが「極める」ことやと思う。行き先はどこであれ。今年度やることは「何かスキルを身につけること」と「今ある能力を存分に伸ばしていきたい」って思う。

 これはエイプリルフールやない。(笑)来年の今頃の日記にはどう書いているだろうか?

マジで頑張る。

いい花見やった。かなり酒も飲んだし・・・良い意見拾えたと思う。ホンマ感謝してます!!1999年度森田ゼミに幸あれ!

P.S.
 最後に「30年後にこのメンツで会ってるのか?」という話が出たが、ホンマどうなってんねんやろう。
ある意味楽しみ(^^)y俺は集まりたいなぁ・・・

どこまでが四月馬鹿かと酒の宴
花冷えし宴の話白熱す
腹の底まで話す花見かな



3/31/2001
「オヤジ会」

 去年、僕は兵庫県の主催する「大学洋上セミナー2000」に参加したのだが、主にそこでのつながりでうまれた会が「オヤジ会」である。
 名前からも連想されるが、要するに「オヤジらしいことをする会」であります。具体的には、立ち飲み屋に行ったり、串カツ食べたり、オヤジと混じって(あんまりかわらへんけど・・・)箱入りのキザクラ飲んだり・・・色々やっております。
 会自体、普段行くところに行ったりするので面白いんだけど、そのときに出る話がやっぱり楽しい。他愛も無い話も多いんだけども、ちょっとマジトークになったり、本音トークが出てきたり・・・僕はこれが醍醐味やと思ってます。
 ホント会をして、きてくれる人がいてうれしい。そこでまたいろいろな話して意見の交換して・・・ホンマ僕は恵まれてると思います。

 ちなみに昨日は、天満の立ち飲み街からちょこっとはずれたお寿司やさんで会を開かせていただきました。そのお寿司屋は新聞とかで読んだことあったんやけど、安さと新鮮さが売り!ちなみにお寿司はなかなかレベル高いです!!値段はなかなか手頃なくせに恐るべし!!また行こうと思ってます。

 そこでの話の肴の一つは佐賀県からの「しろうおのおどり」でした。しろうおは、小さなお魚で、お寿司とかで時折見かける「しらうお」とは別種のハズ。あまりに元気なために、ワイングラスから躍り出ちゃって、板さんかなりご苦労。そのとき僕と目が合ってしまって「これよういごきまんねん」と申し訳なさそうに笑う。僕もほろ酔い気味でしゃあないなぁ・・・って感じの笑いをしていたが・・・
 味は、のどごしですね・・・ポン酢につけて食べるんですけど・・・女性オヤジ会員は「何食べてるの??メダカ??」という始末。確かに見えないこともないけど・・・ポン酢に漬けると痛いのか跳ね方が激しくなります(笑)傷口に塩をなするみたいなモンなのかな?お酒に入れると酔っぱらいます。(笑)
 
 お酒に漬けたところから思い出したのは、富山の漁村調査プロジェクトのお尻についていったときの話である。そのとき、魚市場で生きてるホタルイカを見たのだが、それらのホタルイカは、生きた状態で銀座や赤坂の料亭に運ばれるとのこと。そして客の前に出すときにその生きたホタルイカを、ワイングラスに入ったお酒の中にどぼんと浸けるのだそうな。すると発光体が出て、何とも綺麗な青白い光を出すと言うことらしい。

 僕は調査の時、漁船に乗せてもらって、ホタルイカをすくい上げる瞬間の青白い光を見させていただいたのだが、本当に綺麗だった。それを東京のど真ん中で再現させるとは・・・人間の欲望って凄いなぁって思った。もちろん、大阪で生きてるしろうおを食べる自分も同じようなモノなのかなぁ・・・

 大阪で甘エビが食べられるようになったのも、つい最近と聞く。僕が小さい頃は食えなかったのか?あんまり覚えてないが、確かに冷凍技術、流通の進化発展の結果なのであろう。まさか「大阪の人間が甘エビを食べたい!」が為に冷凍技術が進んだとは考えにくいが、冷凍技術の発展によって大阪の食文化に「甘エビ」が加えられた訳である。
 
 東京に行ったとき私の友人が、語ってくれたが、ブルデューによると無駄な時間、労力をいかにかけられるかによって「文化」が生み出されていくらしい。僕はこの意見に関しては少し納得しないところもあるが、「甘エビを生で食べる」とか「おどりを食す」というモノを「粋」だとする考え方はブルデューの言う「文化」になるのかなぁと最近思っている。

 九鬼周造先生の『「いき」の構造』を読まないと・・・

観念してさかづきを舞ふしろうお
しろうおの尾を振り振りて命乞い
花冷えし並木を歩く影の濃く


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