プサンへ南下。ロッテ対ヘテ戦を見る。韓国プロ野球は いかに??
朝起きて・・・寝覚めは良かった。旅の緊張
感が程良く目覚まし代わりになっているのだろう。昨日大量に食べたキムチのせいかもしれないが。
朝起きると、料理自慢のチャンホーさんの奥さん手作りの料理が所狭しと並んでいた。
「うちの嫁は料理がうまいんだ」とチャンホーさんは、誇らしげだったが、確かにその言葉にウソはなかった。カボチャの天ぷら、キムチ、プルコギ、みそ汁、ごま油の塗ったノリなど、本当に本当においしく頂いた。朝早くから本当に有り難うございます。本当に感謝感激であった。
うちには人類学専攻のチャンホーさんらしく、日本の映画もたくさんあった。伊丹十三監督の
料理人映画「たんぽぽ」があったのには
びっくりしてしまった。「タンポ
ポ?あの面白いラーメン屋さんの話だろ?」とにこにこ笑いながら話すチャン
ホーさん。そこから黒沢の話になったり
小津の話になったり私の乏しい映画知識を駆使してしゃべっていた。日本の映画について本当によ
く知ってるなぁと思ってしまった。
上田氏がいない・・・ご飯を食べ、色々とお
話をしているとそろそろ行く時間やで!と突っ込まれてしまった。上田との待ち合わせの時間は
8:30いまは8:15を時計が指していた。「まぁうちからはソウルのバスターミナルは歩いて10分ちょっとの距離やから間に合うよ。」といわれ、
それから用意したため、少し手間取ってしまったが、荷物とかを持って貰って、何とか8:35く
らいに着くことが出来た。
しかし肝心の上田がいないのである。15分くらい待ったがいっこうに来る気配がない。(後
で考えると待ち合わせ場所が微妙にくるってたのではないか?)僕は彼は、ジョ
ンノ(鐘路)に行くと言ってたから、もしかして東ソウルバスターミナルから
乗ったのでは?と思い、見送りに来てくださった、
チャンホーさんに待たせるわけも行かないので「彼は、間違えたのだと思います。」といっ
てバスに乗ることにした。釜山のバスターミナルは1つだから同じように彼が考えてくれたら向こうで会えるかも知れないと言う淡い期待を寄
せながら。
後日談になるが、彼は違う場所もしくは少し遅れできてソウル高速バスターミナルで待ってい たらしい。それでしょうがないからそこからかなり遅れで釜山に向かったとのことである。ちゃんと意志疎通が出来ていなかったため(たとえ ば30分過ぎてもこない場合はどちらかが間違えたモノとして釜山に行ってそこで待ち合わせると言ったような第2第3の待ち合わせ場所を考 えていなかった。)こういうことになってしまった。
彼とは、板門店からソウルに帰るバスの途上で釜山に行ったら白雲台(ペクウンデ)に行って泳ごうか?な
どと話していたのだが、
結局それも水の泡ときえてしまった。一人で、白雲台の海を思い、バスの席でふて寝する荒川裕紀
であった。
釜山に到着・・・やっとのこと釜山に到着で
ある。とりあえず彼を待たないと行けないと思い、1時間半くらいジュースを買って飲みながら待っていたのだが、なかなかこない。と言うか
本当にこない。もしかしたら東ソウル発のバスは早く着いたのかな?とも思い、またまた去ることにした。
もちろん釜山のバスターミナルのどこに東ソウル発のバスが着くのかも見当が付かなかったし、
ソウル高速バスターミナルから来るバスも
バスによって全然違う場所に止まってお客をおろすのだから見当が付かなかった。本当に悲しかっ
たが、明日の船は同じ便なのでそこで会うだろうと
思い、バスターミナルを後にした。
金剛旅人宿に行く。・・・非常にへこんだ気
持ちで宿を取ることとする。『地球の歩き方』には、安い宿で金剛旅人宿(クムガンヨインスク)
があると書いてある。駅はフェリーターミナルにも近い中央洞(チュンアンドン)。行きには全然
気づかなかったが、釜山は神戸同様非常に坂が多い
街やなぁと思う。裏道裏道に階段が多くそれを登っていくのである。その坂を上ったところにある
路沿いに金剛旅人宿はあった。
フロント?ではアジュンマが寝ていらっしゃる。こうも暑いと寝るしかないわなぁ(笑)とりあ
えず部屋を見せて貰って、値段も10000ウォン、それで日本の衛星放送も映るテレビ付きときたら泊まらないわけにはいかないでしょう。シャワートイレ
もそれなりに清潔だったし。
そして韓国プロ野球・・・僕は韓国に行った
らとりあえず行きたいところは、板門店、慶州、扶余そしてソウルだった。それに独立紀念館、プロ野球を加えていたのだが、扶余、独立記念
館は時間がなかったため、行くことが出来なかった。
韓国に行く前に関川夏夫の『海
峡を越えたホームラン』を読んでいたために是非ともプロ野球には行きたかっ
た。
他の本でも「応援のスタイルが違
う」などと書かれていたのでどう違うのか?是非ともこの目で見たかった。
1997年は、韓国人メジャーリーがー パク・チャンホー(ChanHo
Park)が、野茂もいたロサンゼルスドジャースで「国連ローテーション」と言われて
多国籍ローテーションの一角を占めるほど成長していた年で、多くのテレビがメジャーリーグの試
合を行っていた。
港町釜山もその例に漏れず、ホーム球団のロッテジャイアンチュ(Lotte
Giants)には目もくれず
八百屋のおっちゃんもうちの宿屋のアジュンマだってその放映を食い入るように見ていた。
そこで僕の「ロッテの試合っ
てどこ行ったらみれます?」である。初め宿のアジュンマの娘さんはチャン
ホーパークの映ってるテレビを指さした。
「野球やってるじゃない!」とりあずそうじゃないんだ!韓国のプロ野球を見たいんだ!と言うことを懇願してると、「今日試合やってるの?」と言う始末。僕は
日本のインターネットサイトで調べてきたので、「あります!」と言ったが現地版でないために果たしてあるかどうか不安であった(笑)
アジュンマは親切にも電話してくださり、サジクスタジアムでゲームが行われることを聞いて くれバスの番号まで親切に聞いてくれた。
バスは、英語のアナウンスがないため、そして行き先にスタジアムの名前が書いていないため
かなり迷ってしまったが、
(そこで初め釜山に着いた朝にいた案内書のお姉さんに出くわした向こうも日本人と思って
「はっ!」と気づいてくれたが、
声をかけられなかった^^;)
とりあえず通りにあるスポーツ用品店に行き(野球−スポーツ用品つながりで入ったと思う)野
球場行きのバスの番号などを教えて貰った。
それで着くことが出来たのである。
いざ球場へ・・・いざ球場に着いたのはいい
が、日本では応援が激しい席=外野なので、そっちに向かったが券売り場も何もない。
一人ファンみたいな子がいたので聞いてみても英語が分からないために埒が明かない。結局正面で
すべてのチケットは買え、中にはいることは出来た。もちろん指定なぞ買わずに一番安い自由席を買ったが確か5000ウォンだったような気
がする。
プレイボール・・・入ってみると驚いたのが
「観客の少なさ」。
僕は、西宮に住んでいてそれで阪神タイガースのファンだから確かに人の多い試合に慣れているのかも知れないが、それにしてもこの少なさに
はびっくりした。特に外野の応援団がいない。あれれれ?と思ってしまった。
国歌斉唱でゲームは始まり、いきなりヘテタイガースの核弾頭 イ・ジョンボム(元中日リー・
ジョンボム)が甘く入ったストレートをガツンとスタンドへ持っていく。凄いパワーだなと思ってしまった。
プレイボールして、日本のプ
ロ野球の応援とは場所も違うのだと言うことに気づく。まず釜山の球場に来ている観客が少ないことも影響するのだと思うが、もっぱら
の応援は、1塁側、3塁側の内野指定席(甲子園球場で言うイエローシート、オレンジシートもしくはグリーンシート)で行われている。
そういえば、阪神の応援の発祥もアルプス席やったなぁ。たしか。 高校野
球はアルプススタンドで行うわけやし。
と言うことで、一番応援が激しい、1塁側ロッテジャイアンチュの応援席へと移動する。と
言っても、外を出なくて良い。球場は甲子園球場みたいに
区切られているわけではなく、ぐるっと一周出来たのである。(ちょうどメジャーリーグみたい
に)
応援は、「応援団長」が一人、そしてちょっとハデな格好
(レースクイーンみたい。)のお姉さまが3人。私設応援団ではなく、ロッテ
球団による
「公設」の応援団?みたいな気がしたがどうなのだろう?このあたりについてよく知っていらっ
しゃる人がいたら教えていただきたい。
彼らが、ハンドマイクと音響を使って、盛り上げる。「さぁ次は我らがヒーロ○○!!打ってよ頼むよぉ!」と言ったような感じ(に聞こえた)
で観客に応援するようにし向けるのである。「さぁ、パクミョンス!パクミョンス!」と
彼のリードがすべてと言っていい。
そして、ヒットが出るたびに「ロッテの応援歌」みたいなのでお姉ちゃんが踊る。そのお姉
ちゃん見たさに男は前へ前へ行く。
「♪あぁー好きなのよーロッテが
好きなのよー」みたいに聞こえる。(あくまで推測)。こういったなまめかし
い踊り、そして団長の
トークショーが野球を盛り上げていた。
そしてロッテの応援の特徴は「新
聞ヒラヒラ揺動作戦」である。応援団長が7回くらいに観客に作り方を説明す
るのだが、
周りに落ちている新聞紙を拾いそれをビリビリに縦に破く。破いた新聞紙を風に舞うようにヒラヒ
ラさせる。
まるで、ススキが風になびいているかのようだ。僕も一緒になって作ったが。若い男は、お姉さん
に作り方を聞こうとして
必死になってる。(笑)作り方なんて韓国語が分からない僕だって出来る位なのに。(笑)
この試合は、韓国のイチローことイ・ジョンボムが大暴れして、幕を閉じたが、一番びっくりしたのは、
リージョンボム敬遠の時、「味方」であるはずのロッテ応援席から野次がたくさん飛んだこと。
「へたれー!」「なにしてんね
ん!」見たいにヤジが飛ぶ飛ぶ。
この人達は勝負を見に来てるんだなぁと言うのを改めて感じたし、臆面無く自己表現する人やなぁと思った。
試合は負けたけど、最後にファンサービスたっぷりに悠々とファンの間を抜けてバスに乗り込むヘテナイン。
これにはびっくり。間近でスターがみれるんだから・・・(^^)
イ・ジョンボムは国民的スターなんやなというのを改めて感じた。(写真はホントうまいこと撮れたぁ。)
国が違うと同じルールだけどまた違うモノになる。本当に良い体験をした。
ロバートホワイティングとか、関川の本を読み直さねば。
スポーツから見る文化比較は本当に楽しい!と思ったし、これからの旅の「理由」になると思った。(笑)
少し夜だったのであれには本当に焦ったが、そのあたりが予備校街みたいで、
予備校帰りの生徒が溜まっている屋台に
いき、英語で「チュンアンドンってどう言ったらいいの?」と聞く。
向こうもいきなり英語で言われてびっくりしていたが、なんと地下鉄の駅まで
ついていってくれるという。
「ここを降りて、地下鉄で行ってください。」と非常に丁重な態度で教えて貰う。
本当に気持ちがいい!僕もあぁありたいと思うばかり(汗)
何とか宿にたどり着いたが、食堂はほとんど閉まっていて近くの食堂でぬるいピピムククスを食す。
やっぱりみんながいないと寂しいなぁ。
ヒージエーに電話したりして気を紛らす。上田どこに行ってしまったんやろう?
野球は楽しかったが、寂しく宿で寝た。韓国も明日で終わりかぁと扇風機が回る 部屋で考えていた。