1997年820

アンニョンプサン!!パダガイッソヨ!!(海がある よ!!)

 
あ!上田氏!!・・・韓国にいる最後の日である。今日はどこに行こうかと、扇風機をつけNHKのニュースを見ながら考える。
やはり、買い物だろうか?それまで買い物する時間はあっただろうが、他のことに興味が向いて、買い物をして なかったのである。
ゆるゆると起きだして、買い物できる場所を、アジュンマに聞く。僕の声は大きい。その声で、一人の男が奥の 部屋から出てきた。
あ!荒川!!」なんと、彼も同じ宿に泊まっ ていたのである。なんという偶然!!と言っても二人とも同じ地球の歩き方を見てるわけだし、その本の中で書かれている一番安い宿と言え ば、クムガン旅人宿である。「安くあげる」と言う二人の共通した旅の考え方からこの宿に泊まることは明らかであったため、昨日の時点で、 アジュンマに日本人の泊まり客がいるかどうか聞いておけば良かったといまさらになって思った。

国際市場を散策す・・・上田氏に出会ったところで、買い物に行こうか?と言うことになり、衣料雑貨などが売っている、国際市場に行くこ とにする。チュンアンドンから地下鉄で向かうことにするが、その途上でポケベルのストラップ(これは韓国の学生が結構持っていた。ゴ ム製で透明のストラップで、ポケットの袖口に止めることが出来るようになっている優れモノ。)や、前に書いた、UPのCDを購入し た。実はそれまで歌ってるグループの名前も、曲名も知らなかったため、メロディーを歌って、(もちろん歌詞も分からないのでメチャメ チャに口ずさんでただけだっただろうが)店員さんにそのああしげな鼻歌を頼りに探してもらった次第である。一番のヒットソングだった ために容易に探してもらうことは出来たが。

 地下鉄の駅をあがって、国際市場のあたりを散策する。2 階建てのところもある。そういうトコには小さな階段がついている。そこをあがると韓服の生地とか、布地とか繊維関係を扱っている店が 多い。さしずめ船場センタービルって感じだろうか?
 
 スーツに合うような鞄を買うことにする。日本でもスーツに 合うような鞄を探していたのだが、なかなか値段も高く、どうしようかなぁと思っていたところだったのである。これからスーツを着るこ とも多くなるだろうし・・・
 何軒もカバン屋が連なっている。店員は、マルチリンガルで ある。一番うまい外国語が日本語であると言うことから日本人が上客であると言うことも裏返しで分かる。店に書いてる文字にはなんとキ リル文字まであった。釜山港はロシア航路もあるのだろうか?
 そういえばフェリーターミナルでロシア文字が書かれた船も あったなぁ。そこの船員さんがものを買いに来るのだろう。なるほど、国際市場である。
 一つの店に狙いを定めて、英語、日本語、韓国語チャンポン での交渉にはいる。

 店員「このカバンは、良いものですよ!今日朝一番のお客さんがあなたですから、特別10万ウォ ンでいかがですか?」
アラカワ「うーんちょっと高いなぁ。もう少し安くならな いんですか?」
店員(少し愛想悪くなる)「アイグ!特別価格!いくらで 買うの??」
アラカワ「出せて、2万ウォンまで」
店員「(韓国語でブツブツ)分かった!2つで10万ウォ ン!」
上田「俺はいらんけどなぁ(汗)」
アラカワ「え?一つ5万??特別価格の半額??ピッサ ヨー!(高いよ!)」
店員「それじゃ6万」
アラカワ「2万。ウリヌン、ハクセンイムニダ!」
店員「関係オプソ!5万!」

このあたりで店を出ようとすると4万5000!!にま でなったので、
もう少し粘って3万で手を打つ。向こうは大声で他の店員 にぶつぶつ言ってる。
特別価格って・・・何なんでしょう??

朝一番で日本人(外国人)だったから特別「高く」したんだろうな(笑)

 まだ、まけられたかも知れないが、形も気に入ってたし、よく似たものがデパートとかでは やっぱりかなり高額で売られていたので
まぁよしとしよう。デパートへ行く道で上田と二人で、向こうの言い値で買う客もいるんやろう なぁ。などと話していた。
  

ロッテ免税店で買ったものは??・・・そして、ロッテ免税店で、免税品など買おうか?と言うことでやってきた。免税店と言うことで
ツアーの客が多かったが、僕らでも、パスポートの提示で買うことが出来た。そして、ホテル新羅 の免税店と同じくコーヒーが無料ときている。
 韓国の喫茶店のコーヒーは、少し独特の味がしたが、免税店のコーヒーはネスカフェだけに日本 のコーヒーに近い味が楽しめた。

そして買ったものは・・・・通信販売の焼き肉焼き機についてくるおまけとして名高い「韓国焼 き海苔」と、ロッテ「高麗人参ガム」と「高麗人参キャンデー(人参糖と書いてある)」であった。前者は、韓国旅行で僕が大好きで大好きで たまらないものとなってしまい市場で買っても良かったのだが、なぜかセールをやっていたので買い占めてしまった。(後で考えると、これを 買ったのはロッテ免税店の下にある、かなり価格の安いスーパーマーケットスタイルの食料品売り場ではなかったのではと思う。韓国のカップ ラーメンは数種類こちらで買い占めた。)
 
 高麗人参アメと、ガムは完全に「ネタ」である。アメの方は、一回生の時のクラブの練習の前に 「滋養強壮!!」と言う言葉にだまされ、なめさせられた(笑)土臭い味のアメである(汗)ガムの方は存在も知らなかったのでかなりびっく りしてしまったが、ガムの本家本元ロッテが出してて、この免税店がロッテであること、そして昨日負けてしまったロッテジャイアンチュのこ とをオモンバカって、1ケース買うことにする。
 多分に販売のお姉さんが綺麗だった事も購入に踏み切らせたというのを付け加えておく(笑)

 購入したこれらのおみやげは、さっき購入した鞄の中にしまい込んだ。上田氏曰く、「怪しげ な昆布商人になった」とのこと(汗)
帰りの通関の人はポッタリチャンサ(運び屋)のおばさん達には目を光らせているが、僕らはほと んどフリーパス。もしカバンの開けると、笑ったことだろう(汗)ずらりと並んだ高麗人参ガムと、海苔が一杯詰まってるわけだから。

嗚呼美味!!ソルロンタン!・・・このあたりで昼前となった。船の出航は16時くらい。お昼ご飯を食べようと言うこととなり、ロッ テ百貨店近くのスープ屋さんみたいなところにはいる。「なんとかタン」「なんとかクク」とハングルで書かれた看板が前に出てたために僕が 勝手に付けた名前だが・・・本当は韓国の「最後の晩餐(昼食だが・・・)」はカルククスを食したかったが、看板のハングルに書いてなかっ たため、諦め、もう一つ食べてみたかった「スープ」の方を取ったわけである。

 「ソルロンタンチュセヨ!」で、おじさんが、湯気の立つ白いスープを持ってきてくれた。そ れにご飯と、カクトゥギとみそ漬けがついてきた。
みそ漬けの方はなんとニンニクのみそ漬けであった。はじめは、大豆のみそ漬けと思って(少しか けらが小さかったので)パクパク食べていたのだが、上田氏が「これってニンニクちゃうん??」で、ニンニクと発覚・・・しかし以上におい しかったことを覚えている。是非とも所望してみてください!ニンニクのコチュジャン漬け!!

 スープ自体には、塩味がつけられていなく(多分煮え詰まると使えなくなるからだろう)荒塩 をスッカラ(匙)ですくって自分で味を付ける。
自分の味に仕上がったスープを食す。何とも滋味深い、まったりとした味が舌を伝う。おいし い!!
思わず「マッシッソヨ!!」とご主人に言ってしまった。ご主人かなり笑顔(^^)
 最後の晩餐にふさわしい、食事となった。

かき氷を食べ、フェリーターミナルへ・・・そして、最後のデザートを食べにチュンアンドン にある喫茶店に入り、かき氷を注文する。
ここの店の前には大きくかき氷がプリントされた垂れ幕が張られていた。その垂れ幕で、スクミョ ン前で食べたかき氷の味を思い出してしまったからである。味は、「あの味」ではなく少し期待はずれだったが、味は、「しろくま」に似てる 気がした。

 そしてフェリーターミナル・・・・そのときまで、ソウルで貰った薔薇の花を持っていたのだ が、フェリー会社の職員に花とかは検疫が必要となりややこしいとのことを聞き、その辺にいたおじさんには、「もって帰れないんだからその 辺のお姉さんにでもあげなさい!」と日本語で言われかなりへこんでいた。結局、出国のところにいたお姉さんにあげたのだが、凄く喜んでい て、その笑顔でこっちもうれしくなった。

 そして出航・・・・正味10日の旅 だったが、本当に濃い旅だったなぁと思い返しながら、船は玄界灘へと進んでいく・・・釜山港の夜は更けていった。運び屋のおばちゃんに頼 まれ、一人1本の制限が付いている、ヘネシーを買ってあげた。そしてそのお礼に500ミリの免税の缶ビールをおごってくれた。行きより少 し大きい風呂で汗を流した後、甲板でアテもなく、ただただビール(日本産)を胃に流し込んでみると、いい感じで船が揺れてきて、いい気持 ちになってきた。
 
 ふわふわした感覚のまま、二等船室に戻り、泥のように眠る。公海上で日付が変わったのでは?

P.S. 行きのフェリーの中で話しかけたアメリカ人が、なんと同じ船だった。と 言っても、食堂の奥の方に座っているのを見かけただけだったのだが、
彼の食卓には3〜4人分くらいの皿があった。カツ丼にうどん、それにまだ何か食べていたよう だった。日本食に飢えていたのだろうか??



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